「法律上の相続人」ではないからこそ。お世話になったあの人に感謝を伝える遺贈の話
こんにちは、わたべです。
皆さんは、日々の生活の中で、また、ご自身の老後の生活を想像したときに、誰に一番お世話になっていますか?、またはなるだろうと想像できますか?
「近くに住む長男のお嫁さんが、いつもこまめに様子を見に来てくれる」
「同居している息子の妻が、自分の介護を本当に一生懸命やってくれている」
このように、お嫁さんに深く感謝されている親御様はとてもたくさんいらっしゃいます。
「自分が亡くなったら、この家やいくらかの財産は、あの子にしっかり遺してあげたいな」そんな風に思われるかたも多いのではないでしょうか。
しかし、ここに日本の法律の「大きな壁」があります。
今回は、法律上の相続人ではない大切な人を守るための、具体的な備えについてお話しします。
知っておきたい。法律における「お嫁さん」の立ち位置
日本の法律(民法)では、誰が財産を相続できるかという「法定相続人」が厳格に決まっています。
実は、どれだけ尽くし、何年もお世話や介護をしたとしても、長男のお嫁さんは法律上の相続人にはなれません(涙)。
注: 今回は分かりやすく「長男のお嫁さん」を例にお話ししていますが、これは次男のお嫁さんや、娘さんの旦那さん、籍を入れていないパートナー(内縁の妻・夫)、そしてお孫さんなど、法定相続人以外の「大切な人すべて」に当てはまるお話です。
そのため、もし遺言書を何も遺さずに亡くなってしまった場合、財産はすべて法律で定められた相続人に引き継がれ、どんなにお世話になった人であっても1円も財産が渡らない、という寂しい現実が待っています。
「介護をがんばったら、あとから他の親族に請求できる仕組みがあるって聞いたけれど……」
はい、確かに法律には「特別寄与」という、相続人以外の親族が金銭を請求できる制度があります。
しかし、これは実務上、非常にハードルが高いのが現実です。
「どれだけ大変な介護を、どれだけの期間無償で行ったか」を証明する大量の記録や領収書が必要になったり、他の親族との間で「そこまでやっていないのでは」と言い合いになってしまったりと、残されたお嫁さんに精神的な負担を強いてしまうケースが少なくありません。
せっかく尽くしてくれた大切なお嫁さんを、自分の亡きあとにそんなトラブルに巻き込みたくはありませんよね。
一瞬で解決できる方法・・・遺贈(いぞう)
では、どうすればお嫁さんへの感謝の気持ちをしっかり形として残すことができるのでしょうか。
答えはとてもシンプルです。「遺言書の中に、お嫁さんに財産を譲る旨をはっきりと書いておくこと」です。
法律上の相続人ではない人に、遺言によって財産を贈ることを「遺贈(いぞう)」と言います。
例えば、遺言書にこのように書き添えます。
(例) 「遺言者は、その有する全財産のうち、長男の妻である〇〇(生年月日)に〇〇万円を遺贈する。」
簡単でしょう?
このように遺言書で指名しておけば、ご自身の意思で確実に財産をプレゼントすることができます。
お嫁さんも、あとから他の親族に証明書を出して頭を下げるような必要は一切なくなります。
「付言事項」で感謝の気持ちを言葉に
さらに、この場合、ぜひおすすめしたいのが「付言事項」の活用です。(付言事項については→「遺言書に添えるメッセージ「付言事項って?」」)
「付言事項」の欄では、遺言書の最後に、「長男の妻の〇〇さんは、私の体調が悪いときもいつも笑顔で寄り添い、最期まで温かく看病してくれました。心から感謝しているので、感謝の気持ちとして、今回、財産をのこすことにしました。子どもたちには、この私の気持ちを理解してほしい」などといったメッセージを書き添えることができます。
これがあるだけで、他の兄弟姉妹たちも「お父さん(お母さん)がそこまで感謝していたなら、お義姉さんに財産を分けるのも分かるよね」と納得しやすくなり、家族全体の絆を守ることにも繋がりそうですよね。
当事務所のサポートについて
お世話になったお嫁さん(に限らず、法定相続人に含まれない相手)に感謝を伝えたいというお気持ちは、本当に尊いものです。
だからこそ、口約束ではなく、確実な安心を届けるために「遺言書」というカタチにして残してあげませんか。
「お嫁さんに家を遺したいけれど、子どもたちの取り分(遺留分)はどうなる?」
「角が立たないような遺言書の文面を一緒に考えてほしい」
そんなときは、どうぞお気軽に当事務所へご相談ください。
遠賀郡芦屋町の行政書士わたべ事務所では、あなたの感謝の気持ちが、ご家族に一番良い形で伝わるよう、遺言書作りをしっかりとサポートいたします。
まずはあなたのお話を、じっくりお聞かせくださいね。







