年金分割について知っておくべきこと

こんにちは、わたべです。

今日は年金分割についてのお話です。
離婚について様々な取り決めをする際、すぐに必要となる養育費や財産分与に目が向きがちですが、忘れてはならないのが「年金分割」。
もらえるのはずっと先のことだから、と後回しにするのはめちゃくちゃ危険です!
年金分割の手続きをするかしないかで、将来受け取れる年金額が月に数万円単位、年間数十万単位で変わることも。

確実に年金分割を受けることができるように、2026年4月に施行された最新の改正民法のルールも踏まえ、年金分割のポイントを解説しますね。

 年金分割は「自動的」ではない!「請求」手続きはご自身で

まず基本的なこととして押さえていただきたいのは、「離婚すれば自動的に年金が分けられるわけではない」ということです。

年金分割とは、婚姻期間中に夫婦が納めた『厚生年金』を分け合い、将来の年金額を調整する制度です。法律で認められた権利とはいえ、残念ながら、自分で年金事務所へ出向き、手続きしない限り、分割されることはありません。

また、分割の対象となるのは「厚生年金」の部分のみであり、「国民年金」は対象外である点にも注意が必要です。

「3号分割」と「合意分割」の違い

年金分割には2つの種類があり、どちらに該当するかで手続きが変わります。

3号分割:専業主婦(夫)など「第3号被保険者」だった期間が対象です。相手の合意がなくても、自分一人で手続きができ、50%ずつ分割されます。
合意分割:共働きだった期間や、2008年(平成20年)3月以前から婚姻していた期間が対象です。夫婦の合意(話し合いなど)が必要になります。

「元配偶者と二人で窓口」を避けるための準備

原則として合意分割を行う場合、離婚後に元夫婦が二人揃って年金事務所へ行く必要があります。
しかし、離婚後に顔を合わせたくない、連絡を取りたくないという方がほとんどでしょう。
ここで役立つのが、これまでのコラムでの何度かお伝えしている「公正証書」です。
年金分割の合意内容を記載した公正証書があれば、離婚後に一人で年金事務所へ行き、手続きを完了させることができるのです。

公正証書は、養育費や財産分与など、お金のことについて取り決めるイメージが大きいかもしれませんが、年金分割に関しても、こんなに大きな役割があるんですね。
離婚に関しての公正証書の必要性については、以前こちらの記事でもふれていますのであわせてチェックしてみてください(→口約束で大丈夫?離婚後の生活を守る公正証書

 【最新】請求期限が「2年」から「5年」に延長されました

これまで年金分割の請求期限は「離婚から2年以内」という非常に短いものでした。
この期限を1日でも過ぎると、どんなに多額の年金を受け取る権利があっても、一切請求できなくなっていました。

しかし、2026年4月施行の改正民法により、この期限が原則として「5年」に延長されました。(注:2026年4月1日以降の離婚より適用)

期限が延びたことで余裕は生まれますが、時間が経つほど必要書類の収集が面倒になったり、元配偶者の居所がわからなくなったり、もしかしたら、時間があるからまだまだ大丈夫、なんて思っているうちに、うっかり忘れてしまうリスクもあるかもしれません、大変!
年金分割に関しては、離婚後すぐに手続きを行うのが鉄則ですよ。

こんなときどうなる?4つのケース

よくある疑問・質問をまとめてみました。
どれも、もらえる立場側としては、安心できる内容ですね。

たとえ何年別居していても、法律上の婚姻期間であれば、その期間の厚生年金は分割対象になります。

分割を受けた後に自分が再婚しても、あるいは元配偶者が再婚しても、受け取れる年金額に影響はありません。

手続き完了後に元配偶者が亡くなっても、分割された年金はそのまま一生涯受け取れます。

相手に借金や自己破産歴があっても、年金分割の権利には関係ありません。



年金分割について、少しはご理解いただけましたでしょうか。
老後の生活設計は、離婚時の準備で大きく変わることも。 「よくわからないから」「あとでいいか」と思わずに、離婚時にしっかり動いておくことが大切です。


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