自筆証書遺言の書き方~基本ルールと気をつけたいポイント~

こんにちは、わたべです。

「遺言書」ときくと、多くの方が思い浮かべるのが、恐らく、家のどこかにしまってある、封筒に入っている手紙のようなイメージではないでしょうか。


それが、「自筆証書遺言書」と呼ばれるものです。

その手軽さから、遺言書の中でも多くの方に選ばれているこの自筆証書遺言書について、今日はその書き方と、お気をつけいただきたい点についてご案内いたします。

【書き方】

民法で定められている主な決まりは、以下の通りです。

全文を自書(手書き)で書くこと

本文は、パソコン等での印字はNG。すべて自筆で書かなければなりません。

ただし、財産目録部分についてはパソコンでの作成やコピーでもOKになりました。

例えば、土地や預貯金の一覧などは、表を作って印刷したものや、通帳のコピーなどを添付することで対応できます。

日付の記載が必要

「令和7年4月1日」「2025年4月1日」など、年・月・日が明確にわかる形で書きましょう。

「令和7年4月吉日」のような表現や、「記入日」とだけ書くのは無効になるおそれがあります。

署名と押印

最後に自分の氏名を手書きで署名し、押印を行います。実印である必要はありません。(認印可)

どうですか。特に難しい決まりはありませんね。

これなら簡単に書けそう!
そう思ったあなたに、いくつか注意点もお伝えしておかねばなりません。

【注意点】

目録をパソコンで作るときの注意点
上記でも触れたように、財産目録は、パソコンで作っても大丈夫です。

また、銀行通帳のコピー又は不動産の登記事項証明書等などを添付することも可能。

ただし、そこには1ページごとに署名・押印が必要となります。

目録が複数ページにわたるときも、全ページに署名押印を忘れずに。両面に印字されている場合は、両面共に署名・押印が必要です。

訂正するときのルール
書き間違えたときに、最初から書き直す必要はありません。

訂正した遺言書も有効ではありますが、訂正には細かい決まりがあります。

訂正箇所に二重線を引いて訂正印を押し、余白に「○字削除、○字追加」と明記する、といった具合です。

ちょっと面倒ですが、「正しい書き方」をしないと、訂正部分が無効扱いになることもあるので気をつけましょう。

補足:家庭裁判所での「検認」について
これは、今回のタイトル「遺言書の書き方」からは外れますが、遺言書を書く方にも、遺言書を受け取る方にも、事前に是非知っておいていただきたいことなので、補足として入れておきます。自筆証書遺言は、相続が発生したあとに「家庭裁判所での検認」という手続きが必要です。これは「本当に故人が書いた遺言書かどうか」「偽造や改ざんがないか」などを確認するためのもので、遺言書の内容を実現する前に必ず行わなければならない手続きです。この検認をせずにいきなり遺産分割や名義変更を進めることはできませんので、相続人の方は注意が必要です。また、封がされている遺言書は、家庭裁判所での検認の際に開封する決まりがありますので、遺言書を見つけたからといって、即開けてしまわないよう、注意してくださいね。

以下に、自筆証書遺言についてのよくあるご質問をまとめておきます。

Q. 用紙の指定はありますか?

→ いいえ、便箋・ノート・コピー用紙など、どんな紙でも構いません。ただし、長期保存を考えると、厚めの白紙に黒インクで書くのがおすすめです。

Q. 封筒に入れて封をした方がいいですか?

→ 必須ではありませんが、未開封の方が「偽造されていない」証明になる場合があります。封印して保管しておくと安心です。

Q. 自宅保管でいいの?

→ もちろん構いません。ただし、紛失や改ざんのリスクもあるため、心配な場合は法務局での自筆証書遺言保管制度の利用もご検討下さい。(→自筆証書遺言書保管制度って何?

Q. 遺言書を検認せずに勝手に開けてしまいました。無効になりますか?

→ 遺言書を家庭裁判所に提出せず、勝手に開封してしまった場合でも、その遺言書自体が直ちに無効になるわけではありません。

ただし、法律で「封がされている遺言書は、家庭裁判所で開封しなければならない」と定められていますし、相続人同士のトラブルの火種になりかねません。

「勝手に開けたってどういうこと?」「内容を改ざんしたのでは…?」なんて、疑いが起きてしまうと、せっかくの遺言の効果も薄れてしまいますよね。

うっかり開けてしまった場合も、家庭裁判所へ相談し、正しく手続きを進めることが大切です。心配なときは専門家にご相談ください。

自筆証書遺言は、自分の手で想いを伝えることができる、いわば“お手紙”のような存在と思っています。

形式を守ることはもちろん大事。でも、そこに書かれている「想い」が、いちばん大事なんですよね。

そんな故人の想いのつまった遺言書が、形式や内容の不備で、有効と認めれらなった…なんていうことになるのはとても残念なこと。

なので、作成時には、ご家族、相続人の方々への想いを込めるとともに、ルールにのっとったものであるかしっかり確認することを、忘れずに行っていただきたいと思います。

ちゃんと書けたつもりだけど、本当にこれで大丈夫なのかな・・・?など、もし、ご自身で書いた遺言書が形式的に、内容的に、有効なものであるかどうかご不安は場合は、専門家にご相談いただくこともご検討下さい。

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